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太陽光発電システムがわかる本の「はじめに」

 2007年2月に公表されたIPPC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書は、
地球の温暖化が人為起源の温室効果ガスの増加によるものと断定しました。
このまま何もしないで推移すると21世紀の終わりには気温が4℃も上昇し、
自然災害が頻発するようになると推測しています。
一方、産業革命以降人類が頼りとしてきた化石燃料(石炭、石油、天然ガス)は、
枯渇の心配をしなければならない時期にさしかかったと言わざるを得ません。

 このような背景からクリーンで持続可能な再生可能エネルギーが
脚光を浴びるようになってきました。
とりわけ太陽光発電は頼りがいのあるエネルギーで、
ドイツ連邦政府の気候変動諮問委員会は21世紀の終わりには
太陽光が全エネルギー供給の8割を占めるだろうと予測しています。

近年の太陽光発電の普及は目覚ましく、
日本の家屋の屋根に設置された太陽光発電システムは累積で約40万軒に達しましたが、
国内全体の家屋の0.8%にすぎません。
また、電力会社と系統連系している契約容量の150万キロワット(1.5ギガワット)から
推定される発電量は、日本の電力需要のたった0.1〜0.2%です。

このように普及の端緒についた太陽光発電システムを、
さらにさらに普及させるためには、各家庭の屋根に設置してくださる方々の
戦力を大幅に増強する必要があります。

 本書は、たとえ技術的な知識に縁遠い方であっても、
容易に太陽光発電システムのことがご理解いただけるよう解説したものです。
特に、太陽光発電システムの設置に携わっていらっしゃる方、
あるいはこれからニュービジネスとして
太陽光発電の設置業をスタートしたいと考えられている方、
さらにご自宅の屋根に太陽電池を設置するにあたって
太陽光発電のことを施工も含めて詳しくお知りになりたい個人の方にも
最適の内容となっています。

 第1部では、地球環境の悪化や資源の枯渇に
太陽光発電がどのようにかかわっているのか、
さらに太陽光発電の原理をご理解頂くために太陽光と太陽電池の関係についてご説明し、
つづいて太陽電池の種類や特徴をご紹介しています。

第2部では、太陽光発電システムを設置する屋根の特徴の解説からスタートし、
施工の準備、設計、設置、試運転に至るまでの工程を詳しく解説しました。

第3部では、施工業者の方々のビジネス拡大のアイディアをお届けする目的で
独立電源としての太陽光発電システムをご紹介し、
締めくくりとして太陽光発電の未来の夢を描きました。

最後に本書の出版にあたり、多くの文献や資料を提供してくださった皆さま、
貴重なご意見をくださった太陽光発電協会の事務局の皆さまに厚く御礼申し上げます。
また本書の出版にあたりご尽力くださった工業調査会の辻亜弥子様はじめ
関係者の皆さまに感謝申し上げます。
                                      2008年7月  小西 正暉


再発刊するにあたって

 世界の太陽光発電システムの導入量は、
直近10年間の伸びで平均年率50%という驚異的な数値を示しています。
それでも世界の発電電力量に占める割合は0.1〜0.2%程度で端緒についたに過ぎず、
今後更なる拡大が予想されます。
 本書の前身は、上記のように旧株式会社工業調査会より2008年7月に発刊されました。
このたびオーム社からリニューアルして再発刊するにあたり一部のデータを更新しました。
出版にあたってご尽力いただいたオーム社出版局の方々はじめ
関係者の皆さまに感謝申し上げます。
                                       2011年4月  小西 正暉